サワーチェリーパイ
「なー、俺情けないよな」
「仕方ないだろ、そういう星の下に生まれたんだから」
「そういう星の下って、どういう意味だよ」


元気を取り戻した晴斗は、頭を起こして陽生に向き直る。


「元気になったか? 」
「少しはな、あ、観覧車まだ乗ってない」
「そうだった、じゃあ並ぼう」


だが、観覧車の前には長蛇の列が出来ていた。


今日は土曜日、当然の事ながらカップルも多くて2人きりになれる観覧車は、最高の場所である。


並んでいる間に、晴斗は気を利かせてアイスクリームを買って来た。


「これ食べようぜ」
「ありがとう」
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