サワーチェリーパイ
渡そうとした瞬間、晴斗は自分の分を傾けてしまい、コーンの上に乗っていたアイスが落ちてしまう。


ベチョっと地面に広がる茶色の物体。


「俺のチョコアイスが……」
「半分こすればいいだろ」
「うん」


どっちが女の子だか分からない展開に複雑な顔をするが、提案を受け入れて半分コーンに乗せて貰った。


「うまいなーこれ」
「あたしの田舎のアイス屋の方がもっと美味しいぞ、生の牛乳から作るし」
「一度、食ってみたいな」
「今度、実家から送ってもらうから、皆にご馳走する」


そんな話をしながら、自分達の順番を待っている姿は、遠巻きに見ていた仲間達を安心させる。
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