サワーチェリーパイ
下のゴンドラをのぞくと一組のカップルがキスをしており、陽生はそれに釘付けになった。


「見ろ、キスしてる」
「え? 」


そっと陽生の横に座り下をのぞくと、キスどころかそれ以上の展開になっている。


晴斗は思わず、ムムっと来たが、何とかこらえた。


そんな彼の耳に聞えたのは、陽生が何かを飲み込む音。


ゴンドラ内に緊張が走る。


「ヤバいよな、こんな所で」
「あ、でも駿府と早瀬は……」


話題を変えようと、誰も聞いていないのに、思わず2人の話を耳打ちをする晴斗。


聞き終えて顔を真っ赤にした陽生は、下をむいてしまった。
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