サワーチェリーパイ
陽生はそれに気づき、体を離すとベッドサイドにある聖書を手にとって、晴斗の頭をスコーンと叩く。


「いい加減にしろ、どうしてお前はいつもそうなんだ? 妄想ばっかりしてる余裕があるなら押せよ、危うくお前に落ちそうだった自分がバカみたいだ」
「すまない、ついやっちまった」


後は、朝まで延々と炭酸飲料を飲みながらのお説教が始まる。


このムード一杯のホテルの中で、最も悲惨なカップルかも知れない。


「途中までは良かった、後は何とかその妄想を止めてくれたら……」
「俺とHしてくれてたのか? 」
「さあな、それは分からないけど」
「どうしていつもこうなるんだよー! 俺ってさあー」


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