サワーチェリーパイ
ドツボとは正にこんな状況の事なんだなと、深い海におぼれて行く感覚を味わっているのを見かねた三次は手元にあった風俗情報誌を渡す。


「いいか、今日の午後までに店を決めておけ、お前には修行が足りない。まず、その優しさを捨てろ」
「お! 俺も行く! 」
「オメーは自腹だ」
「無理だ、絶対に。愛の無いHなんて、俺には出来ない」


情けない言葉を吐くと、机の上にふせって泣き始める。


「俺のバカ……、俺のバカァ……」


その様子を見た2人は、何も言えなくなった。
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