サワーチェリーパイ
「これでダメならあきらめるから、返事をちゃんとしてくれ。今の気持ちでいいから、隠さず全部教えてくれ」
「こんなに真剣に告白されたのは初めてだし、胸の中にお前の存在が突き刺さってる……」
「じゃあ俺の事、好きになってくれてるんだよなお前は。そう信じていいのか? 」


立ち上がった彼が、陽生の背中から抱きついて床へ押し倒す。


「晴斗……」


優しく陽生の髪を撫でながら瞳の中をのぞき込む。


「本当に好きなんだ、陽生を」


いつにない真剣さで迫る彼に対し、受け入れていいかも知れないと目を閉じる陽生。


そして、そのまま唇を寄せようとした瞬間、携帯電話の着信音が響く。


「悪い、親からだ」


体を離して電話に出た陽生の耳に、父親が衝撃的な一言を放った。
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