サワーチェリーパイ
その間、晴斗は落ち着きが無い様子であちこちをウロウロしていた。


陽生が来るかどうか、気になって仕方ないのだ。


「なあ、今日、ちゃんと来てくれるよな」
「そんなに心配なら、迎えに行けよ。俺の軽トラで」
「無免許はヤバいだろ、捕まったらパーティどころじゃなくなる」
「じゃあ待つしかねえ、座ってろ」


椅子へ無理やり座らされても、携帯を開けたり閉めたりして周囲がイライラして来るほど、陽生を気にしている。


「俺、歩きで迎えに行って来る」
「おう、そうしろよ」


スーツ姿のまま表に飛び出し、陽生のマンションまで行くと、この間の出来事が晴斗の頭の中を駆け巡った。


と、同時に久しぶりの妄想モードに突入する。
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