サワーチェリーパイ
『あの時、電話が鳴ら
 なかったら俺、陽生
 とHしてたよな。
 あ、でもアイツ初めて
 っぽいし、拒否られ
 たかも。
 つーか、痛くない方法
 なんてあんのか? 
 うわ、何考えてんの俺、
 ただ迎えに来ただけなの
 によ』


「おい、晴斗」


不意に声をかけられ振り返ると、そこには陽生がブルーのドレスの上にクリーム色のショールを羽織った姿で立っていた。


「陽生ぃー」


あまりの可愛らしさに、つい抱きつこうとした晴斗をサッと交わし、横目でにらみつける。


「何考えてんだ、お前は。その妄想を止めない限り、女の子とは一生付き合えないぞ」
「うう……」
「迎えに来てくれたんだろ? 行くぞ」


あらかじめ陽生が呼んでいたタクシーに乗り込み、ソウルダイナーへ向かう2人。
< 226 / 293 >

この作品をシェア

pagetop