サワーチェリーパイ
「返事は無いんだな」
「ごめん、でも、あたしはさ、お前が嫌いじゃないから待たせたくない。だって」
「もう言わなくていい」


晴斗は陽生の体を抱き寄せると、強引に唇を重ねた。


そして、初めての深い口付けを交わす。


互いの体が熱くなり、これ以上は限界だと思った陽生が晴斗の背中を強くつかんで体を離した。


「ダメだ、こんなキスされたら離れたくないと思っちゃうだろ」
「だからしたんだ、離したくない。距離があったっていい」


彼の出した答えは、陽生をより一層悩ませる。
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