サワーチェリーパイ
遠くに離れた時、樹と同じ様に気持ちが変わる可能性を考えてこの場から消えるか、それとも全てを受け入れて晴斗と離れた場所で互いに想い続ける道を選ぶのか……。


考え続けるうちに、言葉に出来なくなり涙があふれ出す。


「ごめん、また責めちまった」
「もぉいい……」
「でも、陽生に嫌われても俺、陽生の事好きだから。いつもフラれると、すぐに次へ行こうとしてたけどよ、今は違うんだ」


ポケットの中からハンカチを出して、涙をぬぐうと肩を抱く。


「寒くなって来たな、そろそろ帰ろう」
「うん」


2人は覇闘公園を後にし、マンションに向けて歩き出した。

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