サワーチェリーパイ
2人はそれでも仲良くベッドに腰を下ろし、目の前にある段ボールをテーブルにコーヒーを飲む。

「あー何かこうしてるとよ、貧乏生活みたいだよな」
「昔の歌にあったな、こんなシチュエーション」
「シングルベッドだしな、これも」


マグカップを起き、晴斗は妄想の大気圏突入をしそうになったが、虹太の言葉を思い出して脳内スペースシャトルの打ち上げを中止した。


「な、もっかいキスしていい? 」
「いいけど、歯磨きしてない」


そうスルーされて、2人並んで歯を磨く。


何とも間の抜けた状況だったけれど、晴斗は燃えていた。
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