サワーチェリーパイ
「イツカエルー? ハルキハー」
沈んだ空気を盛り上げようと、マーティンが見送りを提案したが、肝心の日付が分からない。
何度も陽生に帰る日をたずねたけれど、聞き出す事が出来なかったのだ。
「あいつさー、嫌なんだってよ。そういう湿っぽいの。泣くのを見られたくないって」
「藤川らしいね、学校のお別れ会も拒否してたから」
早瀬がそう言うと、残念な顔をする。
「だからって、俺らに会わないまま帰るなんてマネは許さねえ」
いきり立った三次が、席から腰を浮かせた瞬間、ドアが開いた。
沈んだ空気を盛り上げようと、マーティンが見送りを提案したが、肝心の日付が分からない。
何度も陽生に帰る日をたずねたけれど、聞き出す事が出来なかったのだ。
「あいつさー、嫌なんだってよ。そういう湿っぽいの。泣くのを見られたくないって」
「藤川らしいね、学校のお別れ会も拒否してたから」
早瀬がそう言うと、残念な顔をする。
「だからって、俺らに会わないまま帰るなんてマネは許さねえ」
いきり立った三次が、席から腰を浮かせた瞬間、ドアが開いた。