サワーチェリーパイ
「彼氏にするなら、ガイジンがいいかも」
「あー悪かったな、俺は日本人だよ。オクテで、ダサくてレディーファーストなんかデキもしねえ」
「そーでした、おまけに白ブリーフで」
「お前が悪いんだろ! 他のコンビニ探せよ」


ケンカ寸前の2人の仲裁に入る駿府と早瀬を突き飛ばし、2人はにらみ合う。


「やれやれー、犬も食わねーぞ」
「お前はだまってろ! 」
「ヘンタイのクセに! 」


2人に責められた虹太の目には、うっすら涙が浮かんでいた。


一応、彼も陽生が居なくなるのがさみしいのだろう。


大騒ぎの末、サワーチェリーパイを食べ終えた彼らが店を出ると、マスターは誰に聞かせるでも無く呟いた。


「若いってのはいいよな……」


と。
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