サワーチェリーパイ
「やっぱ、東京に行くの? 樹」
度々繰り返す同じ質問に、ちょっとあきれながらも優しく答えてくれる。
「強くなるためには仕方ないよ、ここから離れるのは寂しいけどさ。陽生も、こっちで頑張れよ」
「うん……。樹は、これからフィギュアのスターになるように頑張って」
「もっちろん、オリンピックで金取るのが俺の夢だし」
その言葉通り、未来のオリンピック選手として、樹は皆に注目され始め、TVの取材がリンクに押しかけて来ていた。
別名『リンクの王子様』なんて呼ばれ、樹が出たスポーツ雑誌は即完売する程。
それにつれてファンの子も多くなり、樹のママがリンクへの送迎を始めた。
だから、あたしと帰りがけにサッカーも出来なくなり、2人だけの時間は自然と消え去る。
度々繰り返す同じ質問に、ちょっとあきれながらも優しく答えてくれる。
「強くなるためには仕方ないよ、ここから離れるのは寂しいけどさ。陽生も、こっちで頑張れよ」
「うん……。樹は、これからフィギュアのスターになるように頑張って」
「もっちろん、オリンピックで金取るのが俺の夢だし」
その言葉通り、未来のオリンピック選手として、樹は皆に注目され始め、TVの取材がリンクに押しかけて来ていた。
別名『リンクの王子様』なんて呼ばれ、樹が出たスポーツ雑誌は即完売する程。
それにつれてファンの子も多くなり、樹のママがリンクへの送迎を始めた。
だから、あたしと帰りがけにサッカーも出来なくなり、2人だけの時間は自然と消え去る。