サワーチェリーパイ

「冷てぇなー、1回ヤッたら用済みかよ」
「面倒臭いだろ、深入りすると」
「三次はいっつもそう、かわいそうになー」
「お前だって、あちこち手を出してんだろ、同罪だ」


そう切り捨てられて、虹太も返しようがない。


授業が始まり、教師の目の前でタバコを吸う生徒や、麻雀をしている奴が教室にあふれ返る中、妄想の海から出られない晴斗。


「何してんだろー」


そんなつぶやきをもらしながら、ずっと御花台の校舎を見つめ続け、放課後になると、三次や虹太よりも先に、一目散にソウルダイナーに走って行った。


いつものボックス席には駿河が来ていて、何やらレポートを書いていた。
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