サワーチェリーパイ
「俺が聞きてぇのは、そこなんだよ」
「本人からは全く情報が聞き出せないし、ウチの女子はそういうのに興味が無いんだ」


つかまれた衿から、冷静に手を払いのけると駿府は困った顔になる。


彼にしてみれば、これが精一杯で、手の打ちようが無いからだろう。


晴斗は行き詰まりを感じて、テーブルに頭を付けて大きな溜め息をもらした。


肝心の情報が聞けないのでは、どうアタックしても無駄だと思ったから。


そんな彼の目の前に、仲間がやって来る。


「ohナサケナイネー」
「ニッポンダンジノナガスタルヨー」


アーリオとマーティンが晴斗の肩を叩きながら、席についた。
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