サワーチェリーパイ
言いたい放題に言われたものの、晴斗は悔しいどころか逆に納得してしまった。


バカが付くほど素直なその性格が、幸いしたらしい。


「良かったなー、ちゃんと理由を説明してくれて」
「ソコマデシテクレル、イイコー」
「ハルト、シアワセー」


その優しさに、派手に泣いた。


「俺、がんばるよ」
「情けねぇけど、応援してんぞ」


御花台の2人は、その日予備校があり、ここには来なかったが、晴斗は2人に向けて両手を合わせる。


自分のために、陽生をわざわざ呼んでくれたのだから。


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