サワーチェリーパイ

かくして、総勢１７人のデートの日を迎えた。


事前に陽生が来ていない時に、作戦を練り上げ、オーナーはマサヨと磨朝の相手をし、陽生と晴斗が２人きりになれる様に仕組んでいる。


当日、やって来た三次の姿を見て皆がブーイングを始めた。


そう、ド派手なセーターにダボダボのスラックスをはき、足元は革靴でセカンドバックにサングラスと夢の国にふさわしくない姿の上に、連れて来た彼女は明らかにオミズと分かるオネーチャンだったから。


「japaniseゴクドースタイル！　」
「ヤクザみてぇだな、三次」
「私服のセンスなさ過ぎだよ」
「うるせぇ！　」


皆から非難され、キレ始める彼をそっと彼女が抑える。


「三次クン、ダメダメー」
「悪ぃな」


その様子は長年連れ添った夫婦の様で、見ていた陽生はプッと吹き出す。