サワーチェリーパイ
それでもデートは始まり、昼食をはさんでフリータイムを迎え、さっさと皆が2人の前から消えて行った。


「皆、どうしたんだろ?急に消えてさ」


不思議そうな顔をする陽生、それに対してとりつくろう晴斗。


「まあいいじゃん、あ、乗り物乗らない? 」
「初めて来たし、一杯遊ぶか」


レストランを出て、室内ジェットコースターの列に並ぶ2人。


「イケメンー! 」
「カワイー」


後ろで並ぶOLらしき3人組が、2人の姿を見ては耳打ちを始める。


そう、陽生は今日もデニムにパーカーと言ったどこから見ても男の子にしか見えない姿で来ていたからだ。
< 80 / 293 >

この作品をシェア

pagetop