サワーチェリーパイ
「三次! ファイトーっ! 」


その声は静まり返った公園内に響き、他の生徒達がしげみを探り始めてしまった。


「女の声がすんべ」
「どこだ、コラァ! 」


彼らにしてみれば、神聖な決勝戦を行っている最中に、女の声で声援が飛んだのは、最も許せない行為だ。


「ヤバい! 」
「え? 」
「早く隠れろよ」


そう言って晴斗は陽生の体を押し倒し、上におおいかぶさる。


他校生が居ると皆に知れたら、大変な騒ぎになるからだ。


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