お姫様に誓いのキスを2
「出来た……!」
クリームを塗り始めてから30分。やっと塗り終わった。
…いびつ…。
やっぱり下手だなぁ…。でも…これが私なんだ。
王子様の前では…仮面なんて付けたくない。
本当の私を見てほしいから。
教室までゆっくりと歩く。心臓は張り裂けるみたいに激しく動く。
受け取って貰えるだろうか?
本当の私は怖がりだ…。
王子様の《お姫様》ってポジションが無いと不安でたまらない。
これが《女の子》なんだね。中島さん達は…強いね。
教室のドアの前、深呼吸して気合いを入れた。
「よぉ〜しっ…!」
ガララッ
ドアを開け、中に入る。………教室の中には王子様の姿があった。
「…やっと来た…って、どうしたんだ!?」
私の姿を見て焦っている。…よく考えたら粉だらけかも…。