お姫様に誓いのキスを2
「…王子様。」

焦る王子様の目を見て私は言った。
               「大好きです。…受け取って下さい。」

不器用なケーキの入った箱を渡す。

「これ…??」

受け取ってくれた。

たったそれだけの事が嬉しい。

「誕生日おめでとう!…下手だけど…本当の私だから…食べてほしい。…ま、まずかったら食べなくていいけどね!!」

緊張してテンパってしまう。もうすでに、頬は林檎の様に赤いだろう。

「誕生日…覚えててくれたんだ?すげー嬉しい!!まずくても残さず食べるから!」

ニコッと笑いかけてくれる。…心臓がドクドク動く。

「綺麗なお姫様になるね。…醜い私はいらないから。」

ケーキを机に置いて、王子様は私の頬を触った。

「醜いわけないだろ!?それに…。」

私の1番欲しい言葉をくれた。

「恋花は恋花だから。不器用な所とか全部含めて俺は恋花が好きだ。」

「…摩哉……。」

チュッ…

このキスを境にして、私達は名前で呼び合う事にした。
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