Escape.
犯罪
"グサッ…グチャ…ビチャッ…"
身体を突き刺す音が真っ暗な
体育倉庫に響く。
…何してるんだろう…。
今にも折れそうな心の中で
罪悪感と快楽、恐怖がごちゃ混ぜになる。
何が何なのか判らない。
混乱していること位しか判らない。
親友を殺しているのだから
この手で。
過ちに気付いたとしても
もう遅いだろう。
悲しみの涙をこぼしながら、あたしは
『ごめん…っ…うっ…ひ…陽菜ぁあぁっ…!』
憎しみの涙をこぼしながら、あたしは
『あはっ…あはははははははは!あんたがわりぃんだよ!誰の彼氏寝取ってんだよぉ…自業自得だってのぉおぉぉ!』
"グサグサグサグサグサッ"
血塗れの制服に大量の涙がこぼれ落ちていく。
鎌を使って、頭蓋骨をかち割っていく。
頭蓋骨は意外と脆く、粉々に割ってみると脳みそが出てきた。
あたしは脳みそを手で握り締める。
既にあたし自身に理性と言う単語すら存在しない。
体育倉庫には奇妙な音とあたしの笑い声が響いている。