あの日、アナタに出会えたキセキ~拾われた少女~
「どうだ?」
「あ、あの…甘くて、温かくてとてもおいしいです」
女はまたカップに口をつけて飲みだした。
「そうか、ならよかった。…あのさ」
「は、はい!」
カップを受け取り、机の上に置く。
この女に聞きたい事はたくさんある。
まずは、
「何で段ボールの中にいたんだ?」
「そ、それは…」
直球すぎただろうか?
女がベッドのシーツをきゅっと握る。
「えと…ご主人様が、私が寝ている間に…その…捨てられたんだと思います…」
「捨てるって…」
捨てる?女を?
死ぬかもしれねーこの寒い時に?