あの日、アナタに出会えたキセキ~拾われた少女~
女は薄く目を開ける。
「お、おい・・」
「・・ごめ、なさ・・ごしゅ・・じんさま」
は?ご主人様?
第一声がご主人様って。
誰か金持ちの付き人・・・な訳ねぇか。
身体小さいし、格好も金持ちっぽくない。
「おい、しっかりしろ!」
すると、女は俺の方に顔を少し向けた。
「・・けて・・い。」
「え、何?」
俺は箱の中に顔を入れて女に近づく。
他の人から見るとおかしな光景だろう。
「・・助け、て・・寒・・い。」