あの日、アナタに出会えたキセキ~拾われた少女~
―――――っっ!!
女はか細くて、消え入りそうな声で呟いた。
「あ、おい!しっかりしろ!」
そしてすぐに目を瞑ってしまった。
"助けて、寒い"
胸の奥がぎゅうっと締め付けられた。
「クソッ!」
俺は女を抱き上げた。
助けなきゃ。
女は軽くて、すっごく冷たくて、顔は真っ白。
警察に行くとかまで考えられなかった。
とにかく助けなきゃ。
俺が、この女を助けてやる。
俺が、助けたい!
その事だけを考えながら家まで走った。