抹茶飴。
「アンタにチョコあげるならカカオ100%するよ」

私は内心やさぐれてしまっていた。

「そんなん、豆食ってんのと変わんないじゃん!甘いのがいーよー」

アイツがただをこね始める。

本当なんで私こんな奴好きになっちゃったんだろ。

自分とアイツに呆れていると、華奢な体で小顔の可愛らしい女の子が私たちのところへきた。

「もー。いい加減にしなよ?この子も困ってるでしょ?」

「だってぽちゃ子おもしろいんだもん」

アイツの彼女。

私には勝ち目がないのがすぐにわかるほど、差のある可愛さ。

すでに太ってしまった私など障害にもならないほど。

アイツと彼女はお似合いだった。

彼女に向けるアイツの笑顔は私の見ているのと比にならない。

アイツと彼女が私から離れていく。

一瞬だけ振り返った彼女が私をにらんだ。

背中にゾクリと寒気が走る。

その日の帰り、彼女が私にこっそりすれ違いざまにこういった。

『いい気にならないで』



次の日もアイツはいつもとかわらず私にどつきにくる。

「なーぽちゃ子。おまえ俺のこと好きってホントー?」

何も考えていない頭で軽々しくアイツは聞いてきた。

「そんなこと誰がいったの?」

「ん?俺の彼女が噂で聞いたって」

やっぱりか。

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