抹茶飴。
僕は何もかも勝って見えた彼女が憎かった。
「君に関係ないだろ?僕の辛さも知らないくせに」
一秒でも長く彼女の姿を見たくなくて、痛みにこらえ首を横に向ける。
「そんなにいらない命ならさっ。私にちょうだいよ」
彼女の言葉に僕は驚いたことを今でもよく覚えている。
これが僕と彼女との出会いだった。
彼女は重い心臓病で、この病院に入院してもう三年がたっていた。
彼女の肌が白く見えたのは、栄養が足りずに青白くなっただけ。
目が大きく見えたのも食事をまともに食べられないせいで、痩せこけてしまったから。
黒い髪がはえるのは、彼女の肌がとても白く見えるから。
そこまで弱っていても彼女の心は強かった。
「今日も病院を抜け出そうとしたんだって?」
僕が笑っても彼女は笑わない。
「こんなとこはうんざりなの!早く退院してコーヒーだってブラックで飲めるようなかっこいい大人になるんだから!」
それは彼女の口癖だった。
「コーヒー飲めたからって大人じゃないよ?」
「うるさいわね!私の基準だからいいのよ!」
彼女は頬を膨らませ怒る。
いつしか僕は彼女に強く惹かれるようになっていた。
「君に関係ないだろ?僕の辛さも知らないくせに」
一秒でも長く彼女の姿を見たくなくて、痛みにこらえ首を横に向ける。
「そんなにいらない命ならさっ。私にちょうだいよ」
彼女の言葉に僕は驚いたことを今でもよく覚えている。
これが僕と彼女との出会いだった。
彼女は重い心臓病で、この病院に入院してもう三年がたっていた。
彼女の肌が白く見えたのは、栄養が足りずに青白くなっただけ。
目が大きく見えたのも食事をまともに食べられないせいで、痩せこけてしまったから。
黒い髪がはえるのは、彼女の肌がとても白く見えるから。
そこまで弱っていても彼女の心は強かった。
「今日も病院を抜け出そうとしたんだって?」
僕が笑っても彼女は笑わない。
「こんなとこはうんざりなの!早く退院してコーヒーだってブラックで飲めるようなかっこいい大人になるんだから!」
それは彼女の口癖だった。
「コーヒー飲めたからって大人じゃないよ?」
「うるさいわね!私の基準だからいいのよ!」
彼女は頬を膨らませ怒る。
いつしか僕は彼女に強く惹かれるようになっていた。