抹茶飴。
学校の帰り道にあるカフェにはられていた貼り紙がふと目にとまった。
《バイト募集中》
その貼り紙を読んでいると店の中から若い女性が顔を出した。
「あ、君今その貼り紙を見てたよね?」
子供のように無邪気に笑うと俺の手をつかんで店の中に引き込んだ。
店内は木彫の落ち着いた雰囲気の温かみのあるデザインだった。
コーヒーの香りがする店内をずんずんと彼女はスタッフルームへと俺の手をつないで歩いていく。
「いやー、この店始めたばかりでねー。人がいないのなんのって。あ、制服はそこにあるの適当に使って」
彼女はマシンガンのように言葉がとまらない。
制服まで押しつけられて、俺はどうしたことかもわからず制服を着てホールに出る。
「お、似合うじゃーん。じゃあバイト仲間を紹介するね!」
そういって彼女が引っ張ってきたのは日向先輩だった。
日向先輩は俺を見るなり恐ろしいほどに怖い顔で俺をにらみつけた。
「もしかして、知り合いだった?」
「学校のせんぱ…」
「知らないです」
俺の言葉をかき消すように先輩が口を挟んだ。
「あちゃー。これは大変だね…」
彼女は笑ってはいたがそれは少し苦いものだった。
その後も俺は先輩のそばにずっと一緒にいた。
どんなに嫌がられてもずっと一緒にいた。
彼女が笑ってくれるまではだいぶ時間が掛かったけどね。
《バイト募集中》
その貼り紙を読んでいると店の中から若い女性が顔を出した。
「あ、君今その貼り紙を見てたよね?」
子供のように無邪気に笑うと俺の手をつかんで店の中に引き込んだ。
店内は木彫の落ち着いた雰囲気の温かみのあるデザインだった。
コーヒーの香りがする店内をずんずんと彼女はスタッフルームへと俺の手をつないで歩いていく。
「いやー、この店始めたばかりでねー。人がいないのなんのって。あ、制服はそこにあるの適当に使って」
彼女はマシンガンのように言葉がとまらない。
制服まで押しつけられて、俺はどうしたことかもわからず制服を着てホールに出る。
「お、似合うじゃーん。じゃあバイト仲間を紹介するね!」
そういって彼女が引っ張ってきたのは日向先輩だった。
日向先輩は俺を見るなり恐ろしいほどに怖い顔で俺をにらみつけた。
「もしかして、知り合いだった?」
「学校のせんぱ…」
「知らないです」
俺の言葉をかき消すように先輩が口を挟んだ。
「あちゃー。これは大変だね…」
彼女は笑ってはいたがそれは少し苦いものだった。
その後も俺は先輩のそばにずっと一緒にいた。
どんなに嫌がられてもずっと一緒にいた。
彼女が笑ってくれるまではだいぶ時間が掛かったけどね。