いつも桜が綺麗です。
「終わった・・・・」

掃除を終えて私はそっと歳三さんの文机の前に座る。

「ここでよく歳三さん、いろんなものを書いていたなあ・・・・」

この文机は歳三さんが新撰組の時代から使っていたものらしい。

だから、年季が入っている。

主人を失った文机。

まるで時に置き去りにされたようにそこにあった。

「お前も、寂しいの?」

なんだか私の姿と重なって見えてそっとなでる。

そしてそっとおでこを付けてみる。

「不思議ね、もう歳三さんがいなくなってから7年の月日が流れるのに・・・」

ぽたっと机の上に涙が零れる。

「悲しみは消えないものね・・・・」

春になるとあなたに逢えます。

だけど残りの季節は私は一人で過ごさなければなりません。

この悲しさを抱えたまま。
< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop