いつも桜が綺麗です。
「これは・・・・」

なんて、綺麗な着物だろう?

そして中には手紙が添えられていた。


お前を思って選んだ着物だ。

どうか着てほしい。

本当は今日、渡すつもりだったんだ。

だけど、それを着たお前を見たら俺はきっと泣いちまう気がしてな。

今度、出会った時に俺に見せてほしい。

そしてまた俺の名前を呼びながら笑ってくれ。

この手紙がお前へ向けた最後の手紙だ。

彩愛。頼みがある。

どうか今度出会ったときは俺に気づかないふりをしてほしい。

俺がまたお前を振り向かせて見せるからな。

約束だぞ。

彩愛。

愛してる。

愛していたじゃなく、俺は今もお前を愛している。

だから、どうか幸せになってくれ。



「この、日付、歳三さんが逝った日だ・・・・」

あなたはわかっていたのでしょうか?

こうなることを。

ねえ、歳三さん?

私はあなたにこの着物を着た姿を見てほしかったんですよ。

あなたが選んで下った着物を。あなたの愛がこもっている着物を。



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