暗黒組織~グリフォード~

逆転

「・・・・・・」


目を開けるとそこは教会の別室だった。端の方には死体がごろごろと転がっていた。せっかく綺麗に施された部屋の壁も、血に塗れ、残酷な結果になっていた。


ここに転がっている死体も、過去に私のように処刑に来て殺された奴らだろう。


「ハァ・・・ハァ・・・・」



少女の荒い息が聞こえてきた。いや、私じゃない。隣を見ると、ベッタリと床にへばっていた少女がいた。私よりは大きいだろう。もしかして、さっき殺されかけていた子だろうか?




「大丈夫?」




「えっ!?」




突然の声にビクッと肩を震わせた。無理やり起こした体は傷だらけで服は血で滲んでいた。そして私のことをジロジロ見ると、また、驚いたような顔を見せた。



「・・・・・何?」


「あっ、あの・・・・・手がすごいことになってるから・・・」




え?と思い、何故か上に挙げられている腕を見上げると、両手の平にナイフが深く刺さっていた。刺さってたんだ・・・・。気づかなかった・・・・。


「あのさ」

「は、はいっ!」


随分とビビりな感じがした。年上なのに。


「これ、抜いて」


「えぇ!?」


「いいから、早く」



「で、でも・・・・」



「こっちは平気だから。処刑人のくせに、こんなこともできないの?『先輩』」




少しニヤリと笑うと少女は少しムッとした顔を見せると、立ち上がってナイフの柄を掴む。


「いきますよ・・・・・」



私に伝えるためでもあり、自分への覚悟を決めるために少女は呟く。柄を持って抜くだけなのに、そんなにいるものなのか?


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