幕末にゃんにゃん【完】
そう考えたら、迷うことなく私は走っていき男の人と飯塚さんの間に滑り込んだ。
―――ズシュッ
『あ……っく』
刀が、突き刺さっているのが見える。
白い着流しに、真っ赤な花が咲く
それは自分の血だろ……。なんて自分につっこみをいれた。でもそんな状況じゃない。
痛い……痛いって言うより傷の痛みが熱のように体に広がっていくような未知の感覚。
「いや……いやァアアアアア!!どうして!?ほっとけばいいじゃない!!
私なんて勝手に死ねばいい人間なのに!!私があんたにしたこと覚えてないの!?!?」
その大声によって、誰かがこちらに走ってくる音がした。
男はそれに気がつき素早くこの場から逃げ出した。
『……あん、たが…いやだ、っていったから。……し、ぬ。のが』
ヒューヒューッと喋る時にのどがなる。