幕末にゃんにゃん【完】
『あ……んたが、死ぬ……って、おも…たら…かってに…体、がうご…いたの…よ』
「……馬鹿よ!!あんた馬鹿!お人よしにもほどがあるでしょ!!」
飯塚さんの表情を見て、私は微笑んだ。
だって彼女泣いてたんだもん……。
そして私は、気がついたんだ。この人があんなことをしていたのは、彼女ただたんに
『さ、みしか……た、んだよ……ね?』
ビクッと飯塚さんの肩が揺れ、子供のようにワンワン泣き出した。
――――寂しかっただけだったんだって。
彼女は逆ハーだのなんだの言ってたけど
……結局は、自分の居場所がほしかっただけなんだ。
でも、上手く言えなくて……不安で……。
それで、あんなことをしてた。
全部、全部…居場所が消えるかもしれないという不安からの行動だったんだ。
誰もいないこの時代に、一人だけ来たら……だれだって怖いし、寂しいはずだもん。