幕末にゃんにゃん【完】





「新撰組を離れ少ししてやや子は、お腹の中にいることが分かりました。

誰の男の子子か知れぬやや子……。


でもやや子に罪はない。私は決心してやや子を産みました。このこと共に生きようと。

しかし、そのやや子も私の手の中から消えた……。



……こんな惨めな女を、あんたは笑いに来たのですか?」





『いいえ。真実をお伝えしようとお伺いしました』




俯いて彼女の話を聞いていた私は、ゆっくりと顔を上げた。





「し、んじつ?」




動揺したようする彼女に、ニッコリと薄い笑みを浮かべた。





『あなたの、咲月さんのやや子の父は斎藤一ですよ』





「う、そ……な、何を根拠に言ってるのですか!?」




大声で叫ぶ咲月さんの肩に手を置いて、目を合わせた。




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