幕末にゃんにゃん【完】
『……そして、あなたを苦しめたあの子こそ貴女と共に生きるはずだった娘さんです』
「そ、んな馬鹿な話……」
動揺の数値はピークに達していたのか。彼女は目を泳がせた。
『どの時代にも時空の歪みがあり。それに誤って踏み込めば未来や過去に飛ばされる…。
飯塚さんは幼い頃その時空の歪みに入ってしまい未来へ飛ばされた』
そして、この時代に戻ってきたのですよ。と言いながら咲月さんの頬に流れる涙を拭いた。
「た……確かめなければ信じれません」
『確かめる?』
「誤って熱湯をかぶったときの火傷の痕が……残っているはずです。
悲しいことに、そんなことでしか我が子かどうか判断できません……。」
『いいえ。十分です』
それを聞いた私は、急いで戸を開けて飯塚ちゃんを中に連れ込んだ。