幕末にゃんにゃん【完】
「咲月さん。申し訳ありませんでした」
崩れる彼女の足元へ走っていくと、飯塚ちゃんは地面に頭をこすり付けて土下座した。
「……やっと。理解できました」
ボソリと呟く咲月さんを私は見つめ、飯塚ちゃんは顔をゆっくり上げた。
「え?」
「いつの日だったか。桜を見つめる貴女の姿が一さんの姿とかぶった事があったんです」
静かな部屋の中に咲月さんの声が響いた。
そして、ゆっくりと飯塚ちゃんを抱きしめた。
「一さんの娘なんだから……似ていて当たり前ですよね……
ごめんね。こんな母さんで……未来の世はさぞ怖かっただろうに……」