幕末にゃんにゃん【完】
“そして、今の立場からずっと妹を見ていました……”
『そう、だったんですね』
“私の声は届きはしない。私の手は彼女に触れられない……”
触れたくても、声をかけたくても
――――それは許されない。
自分の手を見つめながら、呟く彼女の思いに胸が張り裂けそうな感覚になった。
『……白蘭さん』
“ですが姫時さんが…あの子を助けてくれた。もう私に心配の種はありません”
そういいながら微笑む彼女には、一点の曇りもない。