幕末にゃんにゃん【完】
『安西姫時が、二人存在してはいけないでしょう?』
“確かに……いけません。しかし、貴女にはご両親が……”
言いにくそうにいう白蘭さん。
私は瞳を伏せ、そしてゆっくりと開いた。
『だからこそ……私は両親達の記憶から消えなきゃいけない』
優しい両親は、私が行方不明になったと知れば
必死に探してくれると思う。
見つかるはずのない私を探していれば。心身ともにボロボロになってしまうだろう……。