幕末にゃんにゃん【完】
『そこで、二つ目の頼みです。新撰組の人たちと写真を撮らせてください』
“それは構いませんが……その写真をどうなさるのですか?”
『未来へ送ってくださいませんか?記憶をなくした両親からすれば……訳の分からない写真だと思いますけど』
心のどこかで、感じてくれるかもしれないという淡い期待。
私は元気なのだと……。
“記憶を消してしまえば。
例え写真を見たとしてもはっきりと思い出すことは絶対にありませんよ?”
『それでもいいです。捨てられてもいい……それでも、私は元気なのだと伝えたい』
ニッコリと微笑むと
白蘭さんは、驚いたように目を丸めて、それからコクリと頷くと私を抱きしめた。