Review 序―復讐の章―
「……い…か、おい飛鳥!!」
そう叫んだ上木の声に意識が戻される
「え?」
ヤバい、自分の世界に入ってた
ぐるりと部屋を見渡せば、まぁまぁ綺麗な部屋にソファーが二つ、真ん中の部屋に置いてある
その一つの黒のソファーに上木が座り、もう一つの白のソファーに海司が座っている
そして、真夏はドアの前に立つあたしの前に立っていた
羚はというと、生憎今は出掛けてたりする
理由はまぁ…うん。
少し羚を考えていた、そんなあたしに
真夏は手を目の前でヒラヒラさせながら「これ何本だ」と聞いてくる
「えっと、五本?」
「せーいかーいっ」
「はぁ…もう一回言うぞ。こっちに来い」
「あ、はい」
未だにヒラヒラと手を振る真夏を無視して、あたしは上木の隣に行く
そんなあたしに真夏が何か言っているが無視だ無視
「…座れ」
上木にそう言われ、カーペットの上に腰を下ろし胡座(あぐら)をあく
「ぶきゃきゃきゃきゃきゃっ」
なんて言う気味の悪い声はさすがに無視はできなかったけれど