『はちみつゆず~キミと過ごした時間~』
ドライヤーで髪を乾かしていると、
玄関のチャイムが鳴った。
”誰だろ?”
髪を乾かすのをやめて
玄関のほうへ耳を傾けた。
『れんく~ん。
いるんでしょ?? 奈々だよ~。』
”ん? 女子の声だけど…。
気のせいか?”
『あれ? れんくんいないの?』
”いや、気のせいじゃないみたいだし…。
こういうのって
でないほうがいいのかな?”
『れんくんってば!
開けてよぉ…。奈々だよ♪』
ずっとドアの前で
言い続けてるななちゃん(?)
って名前らしい女子。
なぜか、なかなか帰りそうにない。
『なんで出てきてくれないの?』
涙声でそう騒いでいる。