『はちみつゆず~キミと過ごした時間~』


『あ。やべっ。もうこんな時間・・・。
 俺、彼女と約束があるんですよね。』

『え?』

『神崎先輩せっかくここまで来たんで、
 友達に案内頼むんで、
 ここで待っててくれますか?』

『…え? どういうこと?』

蓮斗は冗談なんかじゃない。

本気なんだということが分かった。

私…蓮斗の彼女だよね?

2年間ずっと付き合ってたのに。

久しぶりに逢えたのに。

遠い道のりをわくわくしながら
ココまできたのに
…どうして?

どうして。

『蓮斗。』

『なんですか?』

『私は、蓮斗の何…?』

『え? もちろん、優しい先輩です。』

満面の笑顔で答えた。

『じゃ。神崎先輩!
 観光楽しんでください。』

”バタンッ”

ドアがしまったあと、
あたりはものすごく静かだった。
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