『はちみつゆず~キミと過ごした時間~』
重い足取りで家まで帰り、
ドアを開けた。
かず兄は、
すでに仕事から帰って来ていた。
『柚姫。おかえり!』
『ただいま…。』
『病院どうだった?
普通の風邪か?
それとも疲れ?』
かず兄に聞かれて、
すぐに答えられなかった。
黙り込んで下を向く私に
ただ事ではないと思ったのだろう。
眉間にしわをよせて
真剣な顔をするかず兄。
『どうした?
その様子だと、
ただ事じゃないみたいだな?』
私を抱きしめて、
優しく頭を撫で始めた。
『大丈夫。
俺は、どんなことがあっても
柚姫のそばにいるから。』