【短】青に溶ける
「神様ってホントにいるの?」
30分後、私は貯水タンクを背に、膝を抱えていた。
「どこまで俺を信用しねーんだよ。人間の枠に嵌めんじゃ……」
「どんなに祈ったって助けてくれないじゃない」
膝に頭を埋めて、カミサマの言葉を遮った。
人間が神様を信用しないのは、肝心な時に助けてくれないからだ。
同じように生きていて、不公平があるからだ。
どうして、
どうして、
「親のリコン・サイコンを俺のせいにすんじゃねぇ」
「何よ、カミサマなんでしょ」
「信じてないものを都合良い解釈すんな馬鹿」
「……、」
お母さんが家を出て行った。
家に来た女は、何度か見た事があった。
お父さんはよく私を置いてその女と出掛けた。
ひとりでいる事が多くなった。
そんなある日、
女に子供が出来た。