【短】青に溶ける
「お前の願いはなんだ。最後に聞いてやる」
「………、」
見上げると、カミサマは変わらず目付きの悪い顔で、ふてぶてしく私を見下げている。
みっともなく泣き、涙でぐちゃぐちゃの顔を晒した私にもう見栄もプライドも無かった。
この人がカミサマだとかシニガミだとか嘘を付いてるとかそういうのはもう関係なかった。
私はただ、縋るように叫んだ。
「生きたいの……っ!!」
本当は、生きてて楽しいって感じたい。
死ななくていいなら死にたくない。
「死にたくなんて、ないよぉ……っ!」
カミサマの足にしがみついて、ただただ懇願した。
すると、太陽を背に、カミサマがふわりと笑った。
柔らかい風が吹いた。
「…神…様……?」
風が、涙を拭いた。