星に願っても…。
「マサキ…?それって…。」
強く、きつく、私を抱きしめていたマサキの腕が少し緩んだ。
「ん?昔話だよ?」
「マサ…キ。」
マサキは泣いていた。
「最初、男の子は死んじゃった女の子とその夜見つけた女の子を重ねて、心の穴を埋めようとしたんだけどね?
それは、無理だったみたい。
でもね?二人を重ねなくても、心の穴が埋まらなくても、心は温かくなっていくのが分かったんだって…。
だから、今ではその女の子のことが大好きで大好きでしかたないんだって。」
「なんで、マサキが泣くの…。」
マサキは私と目もあわせないまま言った。
「お医者さんになた男の子いたでしょ?その子ね、死んじゃった女の子のこと、大好きだったんだって。もちろん友達として好きだったのもあったんだけど、もっと特別な気持ちだったんだって。
でもね、その気持ち伝えられないままだったんだって。」
マサキはにこっと笑って私を見た。
「好きだって気持ち、ちゃんと伝えないといけないんだね。トワもきっと分かってると思うんだけどなぁ…。」
「マサキ?」
「ん?」
「私、トワと一緒にいる。ずっと一緒にいる。」
「うん。」
マサキの笑顔はいつも心を温かくしてくれる。