星に願っても…。




「ほら。乗れ。」





「うん。」






助手席に乗ってトワの顔をみる。





「なんだよ。」





「いぃや?なんかかっこよく見えたから…ふふっ」






「きもちわるっ」





「ふふっ」






なんでだろ…。いつもと違う感じがして…。






車が動き出してから数分、二人とも黙ったままだった。






ケータイの画面をスクロールしていたら、誰かのつぶやきが目に入った。





男性は生命の危機に晒されると性的魅力が増すそうです。なので、彼氏に飽きたら半殺しにしてみて下さい。





「ふふっ。だからか…。」





「ん?」





「ううん。なんでもない。」






性的ではないと思うけど、男としての魅力は増してるのかな?




トワもそういうつもりなのかな…。






「トワ?どこ行くの?」





「ん?着いてからのお楽しみ。」






「ふーん。」





「あれ?いつもだったら、言うまで「どこっ?どこっ?」って聞いてくるくせに…。」






「そおだっけ?」






「うん。そぉそぉ。」






こうやって話すのはもう最後かもしれない…。



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