星に願っても…。



夜になった。





リナと俺はベランダに出て星をみる




「あ!見て見て!!」






「ん?」







「ほら!すっごく星、きれい!!」






「あ、ほんとだ。」







ほら。これもリナに見せたかったんだろ?







「ねぇねぇ!あれってさ!!」







この笑顔だって、想像ついてたんだろ?







「ねぇユウぅ、聞いてる?」






「あぁ、うん。」






「なんか今日、ユウさ、遠くのほう見てたりすること多いよね。」







「まぁな。」






なんか、ずーっと遠くを見てると、空の向こう側が見える気がした。





大野トワに届く気がした。






----ありがとう。







大野トワの声が聞こえた気がした。







「リナ?」





「んー?」





空を見たままのリナを後ろから抱きしめた。





「なーに?」






動揺しないリナはやっぱり心のどこかが欠けているのかもしれない。







「リナはさ、今、幸せ?」







「うん。」







「そっか…。」






ザザー





海の音と海風が心地よかった。








「だって、トワが私にこんなプレゼントくれたんだもん。」








「……。そう…だな。」






“トワ”リナの口からその名前が出たのはあの夜以来だった。




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