星に願っても…。

もういないから(キラside.)





「ばかじゃん。」





ユウは私にキスをして去っていった。





やり逃げかよっ!





ひどくないっ?







でも、嫌とかそういうの全然なくて…。





違う。何も感じなかっただけ。








ひどいのどっちだよ…。







重なったとき、トワのこと思い出した。





昔、一回、トワに男とキスしてるの見られたことがあったな…。




家の近くで「じゃぁね。」ってキスしたら、トワがいて……。


怒られたな…。




って、一瞬だったはずなのにその時の記憶が一気に蘇って、懐かしくなった。










「なんで、あんなことしてんだよっ!ばっかじゃねーの。誰だよあの男っ」って…。


怒られたな。





「彼氏だよ。もう飽きたけど。」






そう言ったら、「お前っ…。」そう言って目、まんまるにして…。


すぐに自分の部屋に閉じこもっちゃったな。







三日ぐらい口聞いてくれなかったな。







またトワに怒られちゃうな。





って、そんなことまで思ってた。







ユウがキスした後、泣きそうな顔してたことぐらい分かってる。







ユウがずっと私のこと見ててくれたことだって分かってる。昔から子供のころからずっと見ててくれたことくらい…。






でも、その気持ちには答えられない。






きっと、ユウだって分かってる。
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